
2024年に公開され、体当たりシーンの多さ、その他の問題もあり、話題となった『先生の白い嘘』をゲオレンタルにて鑑賞いたしましたので、軽度嘔吐恐怖症で2児の母目線でご紹介いたします。
あらすじ
高校教師の原美鈴(奈緒)は、教卓の高みから生徒達を見下ろし観察することで、密かに自尊心を満たしながら、女であることの不平等さから目を背けていた。ある日、美鈴は親友の渕野美奈子(三吉彩花)から早藤雅巳(風間俊介)と婚約したと告げられる。早藤こそ、美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた張本人だった。
早藤を忌み嫌いながらも、早藤の呼び出しに応じてしまう美鈴。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希(猪狩蒼弥)から衝撃的な性の悩みを打ち明けられ、思わず美鈴は本音を漏らしてしまう。新妻は自分に対して本音をさらけ出した美鈴に魅かれていき……。
そして、歪んだ愛憎渦巻く人間模様は思いもよらぬ狂気の世界へと向かっていく。
その先で美鈴が見る景色とは——(公式サイトよりhttps://senseino-shiroiuso.jp/)
嘔吐恐怖症の方でも観られる??
直接的な嘔吐表現はあります。更に顔を殴られて血を吹き出したり、風間俊介さんが泥酔するシーンも多くあるので嘔吐恐怖症の方にはあまりオススメできません。
子どもと一緒に観られる??
映倫では強い性表現、性暴力表現からR15指定されています。
この映画では主要出演者に元HiHi Jetsで『KEY TO LIT』(読み:キテレツ)の猪狩蒼弥さんがいて学生の方も興味を持たれる方も多いかもしれませんが、個人的にはR18でもいいのではと思うくらい頻繁に主人公が女性という尊厳を踏みにじられるようなシーンがあるので、感情移入をしやすい方はあまりオススメできません。
私が観たのはこのサービス
現在(2025/02/25)、『先生の白い嘘』は見放題配信はされておらず、私はこのゲオ宅配レンタルを利用し鑑賞しました。
私はまだ配信されていない映像や自分が加入していないサブスクでのみの配信のときに利用しています。
DVD・CD・Blu-rayを借りるなら「ゲオ宅配レンタル」
こんな方にオススメ!
✳︎話題になった映画を観たい方
✳︎感情移入しすぎないけど、性のことを考えたい方
ネタバレあり感想
この映画は公開当時あまりにも性表現、性暴力表現があるにも関わらず、インティマシー・コーディネーターを入れなかったことや、アイドルを起用したとは思えない攻めた内容で話題になり、現在(2025/02/27)も見放題配信はされていませんが、レンタルで鑑賞いたしました。
率直にめちゃくちゃ風間俊介さん演じる早藤くんが怖かったです。
人生で一度でも合意がないままの性行為があった方は観ない方がいいと思うくらい長期間逃れられない支配感に恐怖と不快感を抱きます。
客観的に見れば1度襲われるようなことがあった早藤とは何があっても拒否して逃げればいいのにと思ってしまうものの、実際あの視線で見られて圧倒的な力の差を感じてしまったら怖くて支配されてしまうのだろうとすら感じてしまいました。
主人公の奈緒さん演じる美鈴は高校の教師で、自身は大学時代から?続く早藤からの性暴力のせいで男性を憎み、女性という性の不平等さを感じながら生きている。そんな中で自分が受け持つ生徒(猪狩蒼弥さん演じる新妻)が不倫しているのではという噂の事実関係(といっても否定したという言質をとるためのもの)を聞くための生徒指導を行うことになり、話を聞いていくと新妻はバイト先の奥さんに誘われてついていったものの途中で怖くなり帰ろうとしたらその奥さんの何とも言えない雰囲気や圧によって逃げられず怖いという感情に蓋をして何が自分の意思なのかわからないままことに及んだと告白される。それを聞いた美鈴は、自分の感情と一致した部分、そして、男なら力で逃げられたはずなのに被害者ではないのではという植え付けられた価値観から涙ながらに意見を訴えるも新妻からは”先生は力だけが暴力だと思っていますか”というようなことを返されてしまう。
男と女の圧倒的な力の差からから暴力、そして年齢差や立場によるなんとも言えない圧力の暴力。どちらも受けた側は一生の傷になり、価値観すらも変わってしまう。
私が印象に残ったのは、本音や事実を言い合えたことにより心が通じ合った美鈴と新妻がキスをする前、”これは暴力でしょうか?””そうじゃなかったらいいね”と言いあうシーンで、好きな相手でも搾取されてきた人間にとっては相手を求めることは暴力?搾取?と心に一度ストッパーがかかってしまうようなところが垣間見れ切なく感じました。
また美鈴には新妻という大切な存在ができ、早藤と美奈子の間には赤ちゃんができたことで、今まで表向きには上手くやっていたような早藤が更に闇へ、そして最後決着を付けにいった美鈴を顔が変わるほど暴力をふるい美奈子が切迫早産で入院先から帰ってくる日に自殺を図りましたが、なんとなく助かるタイミングで自殺を図るところも含めてクソだなーと感じてしまいました。絶対に成功できるタイミングあったはずなのにわざわざ帰ってくる日の日中にやるかねと感じてしまい、その後美奈子からは”そのクソみたいな人生の出涸らしを赤ちゃんと私に捧げ”と言われるも結局は自首。早藤がここまで歪んだ人間になったのには何が理由のようなものがあるのだろうかと思ったのと同時に、美鈴と早藤の関係に気づきながら、そして妊娠中に早藤に暴行された美鈴を見ながらも結婚し、逮捕されてからも何度も面会に行っている美奈子が一番よくわからない存在でした。
とにかく最後まで救いがなく、苦しいシーンの連続で暴力とは、男女の性の平等とはなど考えさせられることも多いですが視覚的にもキツくあまり人にオススメすることはないかなと感じた映画です。
そして、この映画を受けた奈緒さん、風間俊介さん、三吉彩花さん、猪狩蒼弥さんすごいな、、、と感じる映画でした。
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