映画『スオミの話をしよう』感想・あらすじ・キャスト紹介。長澤まさみ×西島秀俊×松坂桃李×遠藤憲一×三谷幸喜が贈る、行方不明の妻をめぐる愛と記憶のミステリーコメディーがNetflixにて配信されたので鑑賞いたしました。
目次
🎬基本情報
- 作品名：スオミの話をしよう
- 公開年：2024年
- 監督・脚本：三谷幸喜（『記憶にございません！』『THE有頂天ホテル』）
- 出演：長澤まさみ、西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆、坂東彌十郎 ほか
- ジャンル：ミステリー／コメディー
💬あらすじ
著名な詩人・寒川しずお（坂東彌十郎）の妻・スオミ（長澤まさみ）が、突然行方不明になる。
警察が動こうとするが、寒川本人は「大事にしたくない」と捜査を拒否。
そんな中、スオミの過去の夫たちが次々と寒川邸に集まってくる。
- 最初の夫：庭師・魚山大吉（遠藤憲一）
- 二番目の夫：人気YouTuber・十勝左衛門（松坂桃李）
- 三番目の夫：警察官・宇賀神守（小林隆）
- 四番目の夫：警察官・草野圭吾（西島秀俊）
スオミの安否を心配するかと思いきや、彼らが語り始めたのは、
「誰が一番スオミに愛されていたか」――という不毛な論争だった。
しかし、彼らの語るスオミ像は、まるで別人。
温厚な女性、情熱的な女優、気まぐれな天使、冷酷な策略家……。
彼らの“記憶”が食い違うたびに、スオミという存在はより謎めいていく。
果たして、彼女は何者だったのか――そして、今どこにいるのか？
👀見どころポイント
💫 三谷幸喜ワールド全開の“会話劇ミステリー”
物語の舞台はほぼ寒川邸の一室。
テンポの良い掛け合いと、すれ違う会話の妙が冴えわたる三谷幸喜らしい構成です。
次々と明かされるスオミ像が「真実とは何か？」を問いかけ、
コメディでありながらヒューマンミステリーとしても成立しています。
🎭 長澤まさみが“5人のスオミ”を演じ分ける
それぞれの元夫の回想で登場するスオミは、
まるで別人のように性格も仕草も異なります。
長澤まさみが一人で複数の“スオミ像”を演じ分けることで、
観る者に「人は見る人によって全く違う姿になる」というテーマを感じさせます。
💬 実力派俳優たちの“芝居合戦”
西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆――
三谷作品常連から新鮮な顔ぶれまで、まさに芝居の饗宴。
一見バカバカしい会話の中にも、それぞれの“男の哀しみ”がにじみ、
笑って泣ける人間ドラマとしての深みを生み出しています。
🫣テーマ解説｜スオミとは何者だったのか
本作のタイトル「スオミ」とは、フィンランド語で“フィンランド”を意味します。
しかし物語で描かれる「スオミ」は、実際の国名ではなく、
“誰にとっても違う理想の場所（＝愛の記憶）”を象徴しているようにも見えます。
スオミという女性は実在するのか、それとも男たちがそれぞれ作り上げた幻なのか――。
観客に「記憶と愛の曖昧さ」を問いかける、三谷幸喜らしい哲学的な一作です。
映画の魅力をひとことで言うと
「愛した人の“真実”は、誰にもわからない」
笑って観ているうちに、ふと胸に寂しさが残る。
三谷幸喜監督が放つ、成熟した“大人の寓話”です。
🌟こんな人におすすめ
- 三谷幸喜監督のユーモア×会話劇が好きな人
- 長澤まさみの多面性ある演技を堪能したい人
- 西島秀俊・松坂桃李など実力派俳優の共演が見たい人
- 笑って泣けるヒューマンミステリーが好きな人
🧑🧒子どもと一緒に観られる？
『スオミの話をしよう』は、基本的に大人向けの会話劇・ミステリーコメディーです。
激しい暴力や性的な描写はありませんが、
登場人物の心理描写や過去の恋愛模様など、テーマがやや大人向け。
中学生以上であれば一緒に観ても楽しめる作品ですが、
小学生以下の子どもには少し難解かもしれません。
ただし、「人の見方が一つじゃない」というメッセージは、
思春期の子どもにとって印象深く、
家族で“人の気持ちの多面性”について話し合うきっかけにもなります。
⚠️嘔吐恐怖症の方でも観られる？？
直接的な嘔吐シーン、体調不良シーンはありません。飲酒シーンはあるものの、泥酔というより楽しく乾杯という雰囲気なので、嘔吐恐怖症の方でも問題なく鑑賞していただける方が多いかと思います。
📺配信情報(2025/11現在)
Netflix
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🧊 まとめ
映画『スオミの話をしよう』は、
行方不明になった“スオミ”という女性をめぐり、
元夫たちが繰り広げる奇妙で滑稽な「愛の証言劇」。
その笑いの裏には、
「人は他者をどこまで理解できるのか」という深い問いが潜んでいます。
愛とは記憶。記憶とは幻想。
そして、“スオミ”とは、誰の心の中にもいる“忘れられない誰か”なのかもしれません。
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