【川っぺりムコリッタ】美味しく食べること、コツコツ生きること

か行

 

わたし
ゆる

Netflixで配信後数日間日本のトップ10に入り続けていたので、『川っぺりムコリッタ』を軽度嘔吐恐怖症で2児の母の私が鑑賞いたしました。正直、嘔吐恐怖症の私としてはキツいシーンもあり、、、嘔吐恐怖症の方にはオススメできませんが、ご紹介します。

 

 

 

 

あらすじ

 

ある過去から誰とも関わらずに生きていくことを決め、イカの塩辛工場で働き始めた山田は、社長から紹介された安アパート「ハイツムコリッタ」で生活を開始する。ある日、隣室の島田が給湯器が壊れているから風呂を貸してほしいとやってくると、それ以来山田の静かな日々は一変。ひっそりと生きるつもりだった山田だが、いつのまにか個性的なアパートの住人たちと関わりを持つようになる。しかしそんなある時、山田がこの町にやってきた秘密を、島田に知られてしまう。

 

 

 

嘔吐恐怖症の方は観られる??子どもと一緒に観られる?

 

⚠️嘔吐恐怖症の方にはおすすめしません!!

松山ケンイチさん演じる山田とムロツヨシさん演じる島田とその幼馴染のお坊さんのガンちゃんの3人で雨上がりに飲みに行くシーン、島田が飲み過ぎて電柱に嘔吐します。そのシーンが音ありブツありで時間としては短いと思いますが、個人的にかなりしんどく嘔吐恐怖症の方にはオススメできません。それでも観たい!という方はその飲み会自体さほど大事なことを言うわけでもないので、お寺で島田が雨に打たれたから山田が1人でご飯を食べ、いつもだったら来る島田が来ないことを心配して声をかけるシーンまで飛ばして観てもいいかもしれません。

 

映倫では特に年齢制限は設けていませんが、Netflixでは13歳以上の鑑賞を推奨していました。すごく過激なシーンや残虐なシーンがあるわけではありませんが、山田の父親の孤独死の描写で実際にウジ虫が写ったり、その遺骨を粉砕したり、満島ひかり演じる南が夫の遺骨を齧ったあと全身に這わせていたり、と中々衝撃的なシーンはあるかと思います。個人的には未成年が楽しめる内容にも感じませんし、18歳くらいからでもいいかなとは思いました。

 

⚠️妊婦さんに対して嫌悪感を抱いている発言をするシーンがあるので、妊娠中の方の鑑賞はお勧めしません

 

 

ネタバレあり感想

 

『かもめ食堂』【かもめ食堂】フィンランドの食堂での温かな日常、観るとおにぎりを食べたくなるや『彼らが本気で編むときは、』の荻上直子さんが監督、脚本、原作をされたとのことで、色々な境遇や生きづらさを抱えつつも穏やかで暖かな日常を歩んでいく、ささやかな幸せの瞬間にスポットライトが当たっている映画です。

松山ケンイチさん演じる山田は詐欺の前科ありで出所後ひっそりと北陸にある塩辛工場で働き、社長から紹介された満島ひかりさん演じる南さんが大家の”ハイツムコリッタ”に住むことになるも、初日から隣に住むムロツヨシさん演じる島田が風呂を借りに尋ねてきたりと個性的な隣人たちに驚きつつも馴染んでいき幸せを感じ始めるのですが、ここの住人がみんな本当に個性的すぎて!!

働かず家庭菜園ばかりをしている島田さんは給湯器が壊れても直すお金もなく、毎日お風呂を借りにくる。過去に子どもがいたこと、早くに父親をなくしたことなどポツリポツリと自分のことを話すも多くは語らず、いつもヘラヘラし、相手のこともさほど詮索しない。ただ、主人公が20年近くあっていない父親が孤独死したため遺骨を引き取ろうか迷っているときには、生前どんな人間であったとしてもいなかったことにしてもいい人間なんていないと引き取ることを強く勧める。その甲斐もあり山田は顔も覚えていなかった父親との繋がりを実感することができる。そして、ひっそりと生きていこうと決めていた山田に強引に入りこみ人とご飯を一緒に食べる美味しさを教えてくれます。

大家の南さんは早くに夫を癌で亡くしその後もずっと愛し続け、家賃を半年も払わない住人も追い出さないし、長年住んでいたおばあさんが亡くなった後も幽霊として出ることがあるから新しい人は入れないという懐の広さがある一方で、妊婦を見ると人間が動物だったと思い知らされる感じがして蹴り飛ばしたくなると言ってしまう狂気と絶対にその一線は超えない自信があると笑っていってのける強さがある女性で、山田が前科者なのに幸せを感じる瞬間があることに罪悪感を感じていることを告白したときに、優しく抱きしめ幸せを感じることを認めてくれることで前に進むキッカケを与えてくれます。

他にも個性的で、暖かな人たちがたくさん出てきます。

そして、こんな少ししか出ない役に!?と思ってしまうような有名俳優さんが多く出演されています。孤独死した方の遺骨を管理している役所の人には柄本佑さん、タクシードライバーに笹野高史さん、お金持ちの奥さんに田中美佐子さん、いのちの電話の声が薬師丸ひろ子さんだったりで、とにかく豪華な面々に驚きました。

 

個人的に嘔吐シーンがあることがかなりキツかったですが、”コツコツと日々を積み重ねていくことの大切さは積み重ねた人間にしかわからない”ということや、ご飯に塩辛に漬物といった決して豪華とは言えない食事でも人と食べることの美味しさなどを改めて教えてもらった感じがします。そして、この映画を観るとイカの塩辛をめちゃくちゃ食べたくなります!!

 

 

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