【窓ぎわのトットちゃん】激動の時代を生き抜く真っ直ぐな少女

アニメ映画

 

わたし
ゆる

黒柳徹子さん原作の『窓ぎわのトットちゃん』のアニメ映画が配信されたので、原作は未読ながらも鑑賞いたしました。軽度嘔吐恐怖症で2児の母の私がご紹介いたします。

 

 

 

あらすじ

 

落ち着きがないことを理由に、
小学校を退学になってしまったトットちゃん。
新しく通うことになった
トモエ学園の校長先生は、
出会ったばかりのトットちゃんに
優しく語りかけた。
「君は、ほんとうは、いい子なんだよ。」
トットちゃんの
元気いっぱい、
すべてが初めてだらけの
日々が始まるーーー(公式サイトよりhttps://tottochan-movie.jp/)

 

 

嘔吐恐怖症の方は観られる??

 

嘔吐シーンありません。

飲酒、体調不良シーンもありません。

嘔吐恐怖症の方でも安心して鑑賞していただけると思います。

 

 

子どもと一緒に観られる??

 

是非お子さんと観ていただきたいです。

温かくて柔らかい絵と落ち着きがない子、持病がある子もみんな平等に受け入れてくれるところがあるという優しさ。少しずつ訪れる戦争の恐怖。トットちゃんのお家が裕福だったこともあってか、もちろん悲しいこともいっぱいあるけれど、他の戦争映画にはない優雅さを感じました。大人が観ると戦時中の富裕層の様子を垣間見ることができ、お子さんが初めて戦時中を扱った作品を観るにはトラウマになることなく、観る事ができて良いと思います。

 

 

こんな方にオススメ

 

✳︎『窓ぎわのトットちゃん』の原作が好き

✳︎戦争について描かれている作品を観たい

✳︎子どもが好き

✳︎温かい映画を観たい

 

 

ネタバレあり感想

 

この映画の原作の黒柳徹子さん著書の『窓ぎわのトットちゃん』は小学校の図書室にあったことは覚えているものの、読んだことはなく原作未読のまま映画を鑑賞いたしました。

 

今まで観てきた戦争を扱っている映画とは違い、トットちゃんのお家はお父さんがバイオリン奏者で裕福。

トットちゃんはあまりの落ち着きのなさから通っていた小学校を退学になってしまうも、電車を乗って通う必要のあるトモエ学園へ通うことが決まり、そこでの学校生活を中心に描かれていは映画です。

トモエ学園で始めに校長先生と話したときどんなに長い話しも途中で切ることなく、相槌を打ち続けて、最後にトットちゃんがみんなが自分のことを困った子だというという悩みを吐露したとき「君は本当はいい子だよ」と伝えてくれる。学校で何度も困った子扱いをされたトットちゃんにとって、校長先生の一言、眼差しはどれだけ嬉しくて幸せだったものかと感じました。

トモエ学園で教室は使わなくなった電車の車両。席もその日の気分で自由。勉強も自分のやりたい順番でする。当時には珍しいのではないかと思われるリトミックを採用していたりととにかく普通の学校とは違う様子。

そして、そこで出会ったのが、泰明ちゃん。泰明ちゃんは小児麻痺を患っており片方の手足に力が入らず、いつもたくさんの本を読んで過ごしている。木登りが得意で活発すぎる程活発なトットちゃんと身体に麻痺があることでクラスメイトに迷惑をかけないようお散歩の時間すら教室で本を読んで過ごす泰明ちゃん。関わりのなさそうな2人が穏やかで明るい学校生活の中で徐々に仲良くなったとき、泰明ちゃんは初めてプールに入って水の中で身体が軽くなる感覚を知ったり、ハシゴを使って木に登ってみたりとだんだんと新しい世界を知る。

その木登りにより初めて泰明ちゃんは服を汚して帰る。そんな息子の服を抱えながら、初めて息子が周りの子どもと同じように活発に過ごしてきたことを感じて声を殺して泣く母親の姿には、こちらも同じ母親として涙を堪えずにはいられませんでした。

そして、泰明ちゃんは戦争とは別の理由、おそらく持病関係?で亡くなってしまいます。

当時ではおそらく珍しいであろう教会でのお葬式。

最後にトットちゃんと泰明ちゃんが一緒に帰った帰り道、泰明ちゃんは何か言うもその声は電車の音にかき消されてしまい、わからず、、、ただ、お葬式会場である教会から出るトットちゃんに聞こえた”トットちゃんいろんなこと楽しかったね。君のこと忘れないよ”という言葉だったのではないかなと思います。もちろん、これはトットちゃんである黒柳徹子さん自身の著書なので真相はわからないですが、ずっと子どもらしい生活を送れていなかった泰明ちゃんのことを思うと、トットちゃんに伝える言葉として受け取ると涙せずにはいられませんでした。

 

そして、穏やかに進む日常の中でも、少しずつ戦争が近づいてきていて、小学校低学年のトットちゃんにも、ママからお母様と呼ぶよう言われたり、華美な服装が咎められるようになったり、配給品でお弁当を作るのでどんどん質素になり、最終的には豆のみになってしまう。

トットちゃんは直接空襲に遭ったり、家族が亡くなったり、目を背けたくなるような残酷なシーンがあるわけではありません。

そこに、他の戦争を扱った火垂るの墓、この世界の片隅にとは違う、富裕層から見た戦争を垣間見ることができた気がしました。

 

原作や、当時の時代背景など勉強不足の点が多数あるので、当時小学校を退学になってしまったら、富裕層ではない子はどうしていたのだろう。ということや、トモエ学園にいる他の子達も比較的富裕層にみえたが富裕層の私立のような学校だったのかということや、最後の疎開先へいく汽車にはお父さんはいなかったのですが、戦地へ行ったとういことなのかなど気になったことがあったので、是非原作も読みたいと思いました。

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