
わが家には6歳の娘と、3つ上の兄がいます。
娘は「場面緘黙症」という特性があり、園や人前では声が出せません。
でも、家ではおしゃべりで甘えん坊。とくに兄とは、よく笑いながら遊んでいます。
そんな娘にとって、お兄ちゃんの存在は特別なもの。
家庭内ではケンカもしますが、外の世界では“声の代弁者”にもなってくれる、かけがえのない存在なのです。
この記事では、「場面緘黙症のきょうだい関係」に焦点を当てて、我が家のリアルなエピソードや気づきをご紹介します。
目次
家での2人はケンカばかり?それでも頼りになる兄
家での2人の関係は、典型的なきょうだい。
・おもちゃの取り合い
・チャンネル争い
・「ママ見てて!」の取り合い
そんな日常風景があふれています。
でも娘にとって、兄の存在はとても安心できるようで、
眠る前には「お兄ちゃんと遊んで楽しかった」と話すこともよくあります。
そして、娘が感情を言葉にしきれないとき、兄が代弁してくれることもあります。
👦「〇〇は今ちょっと怒ってるんだよ」
👦「こわいって言ってるかも」
それを聞いて私は、「ちゃんと見てくれてるんだな」と感心する場面もしばしば。
園での様子|お兄ちゃんがいると話せる…?
2人は年齢が近く、同じ園に通っていました。
娘が2歳、兄が年長だった時期には、一緒に登園することが安心材料になっていました。
特に印象的だったのが「お兄ちゃんがそばにいると、娘が表情豊かになる」という先生の言葉。
娘は園で発語はなかったものの、兄が隣にいるだけで表情が和らぎ、
まれに「コクン」とうなずいたり、「うふふ」と笑ったりすることもありました。
お兄ちゃんが自分の“安全基地”のような存在になっていたのです。
きょうだいへの影響|「がまん」させていない?
場面緘黙の子を育てていると、どうしてもその子のフォローが多くなりがちです。
そんなとき、ふと心配になるのが兄や姉の“がまん”です。
我が家でも、
・お出かけ先を静かな場所に限定
・人の多い場所では気を張る
・娘優先の行動や声かけが増える
といったことが多く、息子に「ごめんね」と思うことも…。
だからこそ、意識して「お兄ちゃんと2人だけの時間」をつくるようにしています。
お兄ちゃんに教えていること|「助けてあげなくていいんだよ」
娘の特性を理解しはじめた息子に、私はこんなことを伝えました。
「〇〇ちゃんは、自分のペースでがんばってるから、無理に助けなくていいよ」
「ただ、困ってそうなときに“そばにいてあげる”だけでも、すごく力になるんだよ」
息子は「わかった」とうなずき、
その日から無理に“通訳”をしたり、“代わりに答える”ことを控えるようになりました。
娘もその変化を感じ取ったのか、最近では
「お兄ちゃんがいると安心する」と笑って話すことが増えました。
きょうだい関係は成長のチャンス
場面緘黙症のある子の兄弟・姉妹にとっても、これは大きな学びの機会だと感じています。
・相手の気持ちを想像する
・待つこと、見守ること
・“ことば”以外のコミュニケーションに気づく
息子は、妹との関わりを通じて、優しさや思いやりを少しずつ身につけているように思います。
親としては、2人が“対等な関係”でいられるよう、バランスをとって見守っていきたいと考えています。
おすすめグッズ|きょうだいの関係を育むために役立ったもの
以下のようなアイテムも、きょうだい関係づくりに役立ちました。
● ごっこ遊び用のおもちゃ
→ 兄妹で「学校ごっこ」「お医者さんごっこ」を通じてやり取りの練習に。
● 場面緘黙症について書かれた絵本
→ 場面緘黙症を描いた絵本は少ないので息子にもわかりやすかったようです。
● 家族で使える感情カード
→ 「今どんな気持ち?」をカードで表現し、言葉の代わりに気持ちを伝える練習に。
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