【夜明けのすべて】原作、映画違うところもあるけれどどちらも温かい

や行
わたし
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映画館で2回、Blu-rayの特別版購入、原作読了の『夜明けのすべて』ファンで軽度嘔吐恐怖症で2児の母の私がレビューしていきます。

 

 

 

 

あらすじ

 

月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢さんはある日、同僚・山添くんのとある小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。だが、転職してきたばかりだというのに、やる気が無さそうに見えていた山添くんもまたパニック障害を抱えていて、様々なことをあきらめ、生きがいも気力も失っていたのだった。職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく二人。いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる。(公式サイトよりhttps://yoakenosubete-movie.asmik-ace.co.jp/about/)

 

 

 

 

 

嘔吐恐怖症の方は観られる?子どもと一緒に観られる?

 

嘔吐シーンはありません。ただ、パニック障害の発作が起きてJRの駅でうずくまったり、発作を抑えるために薬と水を飲むときに吐き出さないよう?口をおさえながら飲むので、連想させてしまうシーンはあるかもしれません。

残酷なシーンや、過激なシーンがないので映画自体は年齢制限はありませんが、全体的に自分のことなのに自分じゃどうにもできないもどかしさや苦しみ、その中の光みたいなものを描いているので中学生以上で理解できるかなと感じました。

 

 

(ネタバレあり)原作と映画の違うポイント5選

 

2人の勤務先が違う

まず初めに感じたのは、2人の出会いの場でもある勤務先ですが、映画では〔栗田科学〕という子どもの自由研究のプラネタリウムなどのキッドを作っている会社で、原作では〔栗田金属〕というネジなどを作っている会社でした。会社の社長も社員もほとんど同じでしたが、会社が違うので2人が主体で作り上げるプロジェクトが変わっていました。

 

山添くんの彼女の存在

映画ではパニック障害になって2年経った今も病院に付き添ったり別れていない様子で、藤沢さんにも対面することもある彼女ですが、原作ではパニック障害になった少したった頃に別れていて、連絡もとっていないという描写があり、もちろん病院に付き添うようなことはありませんでした。

 

山添くんの自転車の経緯

自転車を手に入れて行動範囲が広がり、少し心が晴れる時間が増える山添くんですが、映画では藤沢さんが自分の使っていなかった自転車をプレゼントするのに対して、原作では、ひょんなことからレンタルサイクルを利用したことをきっかけに自分で購入するというものでした。

 

藤沢さんの入院

映画では一切描写のなかった藤沢さんの入院ですが、原作では山添くんの自転車を買うきっかけになったり、2人の距離感を近づける大切な場面でした。

 

藤沢さんの転職

映画ではラストに藤沢さんはお母さんの介護をするために地元へ転職し、栗田科学を去りますが、原作では特にそういった描写はなく今後も栗田金属で働きつづけるかと思われます。

 

ネタバレあり感想

 

原作者の瀬尾まいこさんの小説は学生の頃から何度も読んでおり、朝ドラ『カムカムエブリィバディ』を観ていたことから主演の上白石萌音さんと相手役の松村北斗さんのダブル主演とのことで公開前から楽しみにしており、2回映画鑑賞後原作を購入し、Blu-rayまで購入した初めての映画です。

 

原作と映画の違いは先程上げさせていただいた5つ以外にもありましたが、全体的な空気感、温かさのようなものはそのままで映画も、原作もどちらも素敵な作品でした。

この映画の好きなところはたくさんあるのですが、嫌な人が出ないところ、みんなそれぞれ抱えているものがあって大袈裟ではない思いやりをもっているところが特に映画全体をあたたかく包み込んでいるような感じがします。特に会社の面々が最高にあたたかくて映画を観終わった頃にはこんな会社で働きたい!と思っていました。

この映画を観ると夜空を見上げて一息つきたくなります。

PMSやパニック障害を扱っている映画だから重苦しいシーンが多いのかと思われるかもしれませんが、クスッと笑えるようなシーンも散りばめられておりそんなシーンのお陰で苦しく感じなかったです。

 

この映画では上白石萌音さん演じる藤沢さんのPMSがよくなることも、松村北斗さん演じる山添くんのパニック障害が治ることもありません。ただ、友人や恋人ではなく人と人として寄り添い、助け合うことで3回に1回でも症状をやり過ごすことができるかもしれない。

自分自身を誰かの助けになるかもしれないということを実感することが自分自身の救いになるというメッセージを感じました。

 

 

 

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