【6888郵便大隊】生まれたときから最前線で戦ってきた女性たちの記録

映画

 

わたし
ゆる

Netflixにて2024年に配信された『6888郵便大隊』アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされたとのことで鑑賞いたしました。今回も軽度嘔吐恐怖症で2児の母のわたしがご紹介いたします。

 

 

 

あらすじ

 

第2次世界大戦下のアメリカ。アメリカ陸軍婦人部隊所属の有色人種女性から成る部隊が、海外での任務を命じられる。チャリティー・アダムズ大尉(ケリー・ワシントン)率いる郵便管理大隊は、人種差別や性差別、過酷な労働環境などを乗り越え、誇りを胸に戦地に希望を届けていく。

 

 

嘔吐恐怖症の方は観られる??

 

アメリカからヨーロッパへ行く船のがかなりの大荒れでバケツを抱えている人、タオルで口を押さえている人がたくさんいるシーンがあり、直接ブツが映っているわけではありませんが、嘔吐恐怖症の方にはお勧めできません。

 

 

子どもと一緒に楽しめる??

 

戦争シーンは少ないものの、冒頭から戦争によって亡くなる人や、不発弾によって亡くなる隊員などがいるので、中学生以降がいいかなと思います。

内容も性別差別、ユダヤ人への差別、黒人差別など戦争の悲惨さだけではなく差別に苦しむ人たちにスポットライトが当たっているので、差別というのがいかに酷いことかを知るきっかけのためにも是非お勧めしたいです。

 

 

こんな方にオススメ

 

✳︎凛とした女性が出ている映画が好き

✳︎手紙を受け取る幸せを感じたことがある方

✳︎差別を受けていると感じたことがある方

✳︎無意識に差別してしまったことがあるかもしれないと思ったことがある方

✳︎第二次世界大戦を他とは別の視点から観たい方

 

 

ネタバレあり感想

 

配信時から気になってはいたものの中々観られず、サムネイルにアカデミー賞ノミネートの文字があるのを観てより興味が湧き鑑賞いたしました。

郵便大隊という今まであまり映画などの映像で観ることのなかったところにスポットライトが当たっており、しかも誰もが無理だと思うほどの量を短期間で仕分けし届けたのがアメリカで唯一の有色人種の女性のみで構成された部隊だったという実話を元にした映画でした。

主人公のリナはユダヤ人のボーイフレンドが戦地へ行きわずか数ヶ月で亡くなってしまったことをキッカケに学校を卒業してすぐに自身も陸軍は入ることを決め旅立ちます。

まずこの陸軍に入るまでも、黒人のリナを車で学校に迎えに来るのがボーイフレンドが白人の男性(おそらくユダヤ人とは知らない?)だということを面白く思わない同級生から嫉妬や批判を浴びたり、ユダヤ人のボーイフレンドとリナが一緒にいるのを同居している母親と叔母がよく思っていなかったりとそれぞれ黒人差別、ユダヤ人があります。

やっと陸軍へとなっても、白人女性は前線であるヨーロッパへいくものの黒人女性はジョージア州で兵士のサポートやトレーニングに励むことになります。

その黒人陸軍女性たちの指揮を取るのがチャリティ大尉は1947年の差別が厳しい陸軍の中で黒人女性たちの地位を確立するべく厳しく指導している中、当時のルーズベルト大統領に食糧を優先するばかりに、兵士と残された家族との手紙のやり取りが数ヶ月途絶えており兵士たちの士気が下がっているという話があり、議論の結果チャリティ大尉率いる黒人女性部隊が6888郵便大隊としてヨーロッパへ行くこととなる。しかし、そこでも他の白人女性部隊ができなかったことをできるのかと差別、偏見そして嫌がらせを受ける。1700万件以上の郵便を常に移動し続ける兵士とその家族へ半年間で送り届けろというかなり無理に感じるような命令を受けます。しかも、作業、侵食の場所は廃学校で真冬に暖房もなく掃除から始めないと寝る場所もないような状況でした。そんな中でも協力して仕分け作業を行なっている6888郵便大隊に偵察に来た上官は侮辱するようなことを言うし、監査役に神父が送られたりと色々と邪魔が入りそれでも脅威の約90日間で役目を終えた6888郵便部隊は兵士たちの士気をあげ感謝されるというラストでした。しかし、最後にリナの100歳の頃のインタビューが出てきて、アメリカに戻ってからはより差別が酷かったこと、75年経った頃やっと史実に残され評価されたことが語られていました。

そんな話を聞くとおそらくラストシーンの6888郵便大隊が移動する日白人兵士たちから呼び止められ拍手と敬礼を受けるといった事実はなかったのかもしれない、とすら感じてしまいました。

どんなに理不尽なことの連続でも上官としてリナたち兵士を守り、ときに上に歯向かうことになっても凛とした態度で信念を突き通したチャリティ大尉、大切な人を失ったことをバネに華奢な身体で辛い訓練にも耐え兵士から手紙が送られてくることの本当の意味を周りに身をもって伝えたリナ。他にも強くて優しくて凛とした女性がたくさん出てきます。

 

郵便大隊という初めて観るテーマの映画でしたが、血で汚れたり保管状況が悪い手紙を正確に家族や兵士の元へ届けることがどれだけ、厳しい状況にいる人たちの支えになり、困難で大切な仕事か、味方のはずなのに差別され仕事や生活も満足にできない状況がつい最近まで(もしかしたら現在も)起きているという悲惨さを強く感じる映画でした。

 

映画館では公開されずNetflixのみの配信なんてもったいない!とすら感じる映画でより多くの方に観ていただきたいと感じる映画でした。

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