
2020年代の今観ても新鮮なテーマで描かれる、江戸時代の“駆け込み離婚劇”。
本記事では、映画『駆け込み女と駆け出し男』について、ストーリーの魅力や見どころ、ネタバレを含む感想まで軽度嘔吐恐怖症で2児の母の私がご紹介します!
目次
基本情報
- 作品名:駆け込み女と駆け出し男
- 公開年:2015年
- 監督:原田眞人
- 原作:井上ひさし「東慶寺花だより」
- 出演:大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかり ほか
- 上映時間:143分
- ジャンル:時代劇・人情ドラマ・コメディ
あらすじ
質素倹約令が発令され、庶民の暮らしに暗い影が差し始めた江戸時代後期。鎌倉には離縁を求める女たちが駆込んでくる幕府公認の縁切寺の東慶寺があった。
但し、駆込めばすぐに入れるわけじゃない。門前で意思表示をした後に、まずは御用宿で聞き取り調査が行われるのだ。
駆出し医者でありながら、戯作者にも憧れている信次郎は、そんな救いを求める女たちの身柄を預かる御用宿・柏屋に居候することに。
知れば知るほど女たちの別れの事情はさまざま。柏屋の主人・源兵衛と共に離縁調停人よろしく、奇抜なアイデアと戦術で男と女のもつれた糸を解き放ち、ワケあり女たちの人生の新たな出発を手助けしていくが・・・・。(公式サイトよりhttps://www.shochiku.co.jp/cinema/lineup/kakekomi/)
嘔吐恐怖症の方でも観られる??
私自身が軽度の嘔吐恐怖症を抱えているため、同じような方の参考になればと思い記します。
結論から言うと、嘔吐シーンはありません。前半に飲酒シーンや体調不良を訴える描写はありますが、吐く場面はなく、不快感を感じるほどの表現も見受けられませんでした。
子どもと一緒に楽しめる??
結論としては、お子さま向けの映画ではありません。
- 江戸時代の離婚問題をテーマにしており、内容がやや大人向け
- 江戸口調が早口で、子どもには聞き取りづらい可能性
- 前半に女性の背中に男性が絵を描く、少し艶っぽいシーンあり
ただし、女性の立場や結婚制度について考えさせられる描写が多く、歴史やジェンダーに関心のある中高生以上であれば、観る価値は十分にあります。
こんな方にオススメ!!
- 歴史ドラマ・時代劇が好きな人
- 人間ドラマ・会話劇が好きな人
- 笑いと感動どちらも味わいたい人
- 大泉洋・戸田恵梨香・満島ひかりのファン
- 女性の生き方をテーマにした作品に惹かれる人
ネタバレあり感想
本作の舞台は、実在した女性のための駆け込み寺「東慶寺」。
私自身、映画で初めてその存在を知り、当時の女性の立場の理不尽さに衝撃を受けました。
主演が大泉洋さんだったので、もっとコメディ寄りかと思っていましたが、程よく笑いもありつつ、切なくも力強い人間ドラマでした。
じょごとお吟の友情に涙
戸田恵梨香さん演じる「じょご」は、働き者で我慢強い女性。夫の暴力と浮気に耐えきれず、東慶寺を目指します。
山中で出会ったのが、満島ひかりさん演じる「お吟」。追っ手から逃げる彼女を助け、2人は一緒に東慶寺へ向かう道のりを歩みます。互いに支え合いながら育まれる、まるで姉妹のような絆。特に、お吟が病に倒れる場面で「我が妹」と呼びかけるシーンには、思わず涙が溢れました。
女性たちの“変化”が見どころ
最初は弱々しく自信のなかったじょごが、東慶寺での生活を通じて成長していく様子がとても印象的でした。
- 薬草の知識を身につけ
- 剣術を磨き
- 最後には男に立ち向かう強さを手に入れる
お吟の儚さもまた心に残ります。病を抱えながらも、愛する人に最期の姿を見せまいと東慶寺に入るその気高さに胸が熱くなりました。
そして、じょごと信次郎の少しずつ近づく距離感もさりげなく、とても良かったです。
江戸口調に最初は戸惑うかも…
正直、最初は早口の江戸弁が聞き取りにくく、観るのをやめようかと思いました。でも、不思議とだんだん耳が慣れてきて、気がつけば作品の世界にぐいぐい引き込まれていました。
まとめ
この映画は、ただの時代劇ではありません。
**「女性が声を上げる」**ということがいかに大変で、でもいかに大切だったか――それを描いてくれた貴重な作品です。
観終わったあと、じんわりと心に残る温かさと強さがありました。
興味のある方は、ぜひ一度ご覧ください。
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