
「家族だから分かり合える」
そんな言葉が、時にどれほど残酷か。
映画 『違国日記』 は、
血のつながりよりも“距離の取り方”を大切にした、
とても静かで、やさしい物語です。
突然すべてを失った15歳の少女と、
他人との関係を避けて生きてきた小説家。
二人が“家族でも友人でもない関係”を築いていく姿は、
観る人の心をゆっくりとほどいてくれます。
目次
✅基本情報

- 作品名:違国日記
- 公開年:2024年
- 監督:瀬田なつき
- 原作:ヤマシタトモコ『違国日記』
- 上映時間:139分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
キャスト
- 新垣結衣(槙生)
- 早瀬憩(朝)
- 夏帆
- 染谷将太
- 瀬戸康史
- 中村優子
🎬あらすじ(ネタバレなし)
交通事故で両親を失った15歳の朝は、
行き場を失いながらも、感情を押し殺したまま葬儀に参列する。
そんな彼女を引き取ると申し出たのは、
母親と折り合いが悪く、
これまで一切関わりを持ってこなかった叔母・槙生。
他人と深く関わることを避けてきた槙生と、
人懐っこくも心に深い傷を負った朝。
二人のぎこちない共同生活が始まる。
💬ネタバレなし感想|「寄り添う」ことを強要しない優しさ
『違国日記』が特別なのは、
誰かが誰かを“救おう”としないところ。
- 抱きしめない
- 無理に励まさない
- 正解を与えない
それでも、確かにそこに“居場所”はある。
新垣結衣演じる槙生の不器用さは、
多くの大人が共感してしまう孤独そのものです。
新垣結衣が演じる槙生のリアリティ
槙生は、
- 感情を言葉にするのが苦手
- 他人と距離を取りがち
- 優しさを表現できない
けれど、
彼女は一貫して「朝を否定しない」。
母親的な愛情ではなく、
一人の人間として尊重する姿勢が、この物語の核です。
朝(早瀬憩)が体現する“喪失のかたち”
朝は泣き叫ばない。
怒りも、悲しみも、どこか現実感がない。
それは、
突然すべてを失った人間が陥る、
とてもリアルな反応。
早瀬憩の演技は、
説明されない感情を、表情と間で伝えてきます。
違国=“違う世界”を生きる二人
タイトルの「違国」は、
- 年齢
- 価値観
- 生き方
すべてが異なる二人の象徴。
同じ国にはいないけれど、
同じ空間で、少しずつ歩み寄る。
それがこの映画の関係性です。
原作との違い(簡潔に)
原作の繊細な心理描写を、
映画は“沈黙”と“間”で表現しています。
言葉が少ない分、
感情が観客側に委ねられる構成が印象的です。
🧑🧒子どもと一緒に観られる?
- 小学生:△(重いテーマ)
- 中高生:○
- 大人向け:◎
刺激的な描写はありませんが、
喪失と家族がテーマのため、
心の成熟度が必要です。
🌟どんな人におすすめ?
- 静かな邦画が好き
- 家族の形に悩んだことがある
- 原作漫画が好き
- 心を整えたい夜に映画を観たい
⚠️嘔吐恐怖症の方は観られる??
直接的な嘔吐シーンはなく、体調不良シーンもありません。度々新垣結衣さん演じる槙生の飲酒シーンはあります。ただ、泥酔といった雰囲気はないので飲酒シーンに抵抗のない方は安心して観ていただけるかと思います。
📺配信情報(2026年1月現在)
Netflix

Amazonプライム
ゲオ宅配レンタル
原作
🕊️まとめ
映画 『違国日記』 は、
「わかり合えなくても、共に生きられる」
そんな関係の可能性を描いた作品です。
誰かと無理に近づかなくていい。
それでも、独りではない。
静かに、確かに心に残る一本でした。




コメント