
子どもを失うという、想像を絶する喪失。
もし、その悲しみを埋める存在が「人形」だったとしたら——。
映画『ドールハウス』は、娘を亡くした夫婦が手にした一体の人形をきっかけに、日常が静かに、しかし確実に壊れていくミステリー作品です。
派手な演出よりも、感情の隙間に入り込むような不穏さが際立つ本作は、「人形ホラー」という枠を超え、家族と喪失を描いた重厚なドラマとして観る者の心に残ります。
この記事では、映画『ドールハウス』の見どころをネタバレなしで解説しつつ、子どもと一緒に観られる作品かどうかも詳しく紹介していきます。
目次
✅基本情報

Screenshot
監督:矢口史靖
ジャンル:ミステリー、サスペンス、ホラー
公開年:2025年
上映時間:110分
🎬あらすじ
5歳の娘・芽衣を亡くし、深い悲しみに沈む鈴木佳恵(長澤まさみ)と夫・忠彦(瀬戸康史)。
ある日、佳恵は骨董市で芽衣によく似た人形を見つけ、まるで本当の娘のように大切に扱うようになる。
人形の存在によって心の平穏を取り戻したかに見えた夫婦だったが、その後、待望の第二子・真衣が誕生。
次第に人形の存在は忘れ去られていく。
しかし、5歳になった真衣がその人形と遊び始めた頃から、家の中で不可解な出来事が起こり始める。
捨てても、離しても、なぜか戻ってくる人形——。
佳恵たちは次第に、説明のつかない恐怖に追い詰められていく。
👀見どころ
観る者の心をえぐる「悲しみから始まるホラー」
『ドールハウス』の恐怖は、いきなり驚かせるタイプのホラーではありません。
この作品が本当に怖いのは、**喪失の痛みにつけ込むように忍び寄る“感情の隙間”**です。
子どもを失った親の悲しみ、埋められない空白、そして「忘れてはいけない」という罪悪感。
そのすべてが、人形という存在を通してじわじわと形を持ちはじめます。
観ている側も、
「これは異常なのか、それとも立ち直るために必要な行為なのか」
と判断がつかないまま、物語に引き込まれていきます。
長澤まさみの“壊れていく母親像”が圧巻
本作で特に印象的なのは、長澤まさみの演技です。
泣き叫ぶわけでも、感情を爆発させるわけでもない。
それなのに、抑え込まれた悲しみが少しずつ歪んでいく様子が、表情や間の取り方だけで伝わってきます。
瀬戸康史演じる夫・忠彦もまた、寄り添おうとしながら理解しきれない距離感を体現しており、
「夫婦であっても、同じ悲しみを共有できるとは限らない」
という現実を突きつけてきます。
矢口史靖監督が描く“日常に入り込む異変”
『ウォーターボーイズ』などで知られる矢口史靖監督ですが、本作では一転して不穏な世界観を構築。
派手な演出を抑え、生活音や視線、間取りといった日常のリアルさを積み重ねることで恐怖を生み出しています。
だからこそ、人形が“そこにある”だけで空気が変わる。
何も起きていない場面ほど、神経を逆なでするような怖さがあります。
🌟こんな人におすすめ
- 派手なジャンプスケアより、心理的にくるホラーが好き
- 家族や喪失をテーマにした重い物語に惹かれる
- 人形・呪物系のじわじわ怖い作品が得意
- 観終わったあとも考えさせられる映画を求めている
逆に、明るい気持ちで観たい人や、小さな子どもと一緒の鑑賞には向かない作品です。
🧑🧒子どもと観られる?|年齢の目安と注意点
結論から言うと、
小さな子どもと一緒に観るのはおすすめできません。
理由① 人形による心理的ホラーが強い
『ドールハウス』は突然驚かせるタイプではないものの、
- 人形が「そこにある」こと自体の不気味さ
- 捨てても戻ってくるという執拗さ
- 静かな日常が徐々に侵食されていく感覚
といった、幼児には理解しづらく、恐怖だけが残りやすい演出が中心です。
理由② 「子どもの死」という重いテーマ
物語の軸には、幼い娘を亡くした両親の深い悲しみがあります。
直接的な描写は控えめですが、感情的な重さは強く、
感受性の高い子どもには精神的な負担になる可能性があります。
目安年齢
- ❌ 未就学児〜小学生低学年:おすすめしない
- △ 小学生高学年:ホラー耐性があれば慎重に
- ◎ 中学生以上:テーマを理解した上で鑑賞可能
大人向けの心理ミステリーとして楽しむのが適した作品です。
⚠️嘔吐恐怖症の方は観られる??
直接的な嘔吐シーンはありませんが、髪の毛を喉に詰まらせて何度も吐き出すシーンがあるので、嘔吐恐怖症の方にはオススメできません。
📺配信情報
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🕊️まとめ|映画『ドールハウス』は静かな恐怖と喪失を描く大人向けミステリー
映画『ドールハウス』は、人形ホラーというジャンルに収まりきらない、「喪失」と「家族の歪み」を描いた心理ミステリー作品です。
派手な恐怖演出ではなく、日常の延長線上に忍び寄る不安や違和感を積み重ねていく構成は、観る人の心にじわじわと残ります。
特に、子どもを失った母親の心情や、再び家族を築こうとする中で生まれる感情のズレはリアルで、生々しいものがあります。そのため、小さな子どもと一緒に観る作品ではなく、大人がじっくり向き合う映画と言えるでしょう。
「怖いだけのホラーは苦手だけれど、意味のあるミステリーが観たい」
「人形というモチーフを通して、人の心の闇を描く作品に興味がある」
そんな人には、映画『ドールハウス』は強くおすすめできる一本です。
観終わったあとも、きっとあの人形の存在が、しばらく頭から離れなくなるはずです。



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