
SNSに吐き出した言葉に救われる若者、
大切な友人の死で“生きる意味”を問い直す青年たち——。
映画『スクロール』は、
現代を生きる私たちが抱える 孤独・空虚・承認欲求・生きづらさ を
真正面から描いた群像劇です。
北村匠海・中川大志・松岡茉優・古川琴音という
実力派4人が集結し、
“自分の弱さとどう向き合うか”を静かに、しかし切実に問いかけます。
目次
✅基本情報

作品名:スクロール
公開年:2023年
監督:清水康彦
原作:橋爪駿輝『スクロール』
ジャンル:青春ドラマ・ヒューマン・群像劇
出演:北村匠海、中川大志、松岡茉優、古川琴音
📖あらすじ
SNSに「この社会で夢など見てはいけない」と
絶望と本音を綴ることでギリギリ自分を保つ〈僕〉(北村匠海)。
その学生時代からの友人・ユウスケ(中川大志)は、
塞ぎ込むように刹那的に生きてきた青年。
そんなある日、かつての友人・森が自殺したという知らせが届く。
その死をきっかけに、
二人の歯車がゆっくりと狂い、また動き出していく。
〈僕〉の投稿に共鳴し「特別な自分になりたい」と願う〈私〉(古川琴音)、
ユウスケとの結婚で空虚を埋めようとする菜穂(松岡茉優)。
4人の時間が交差し、
“生きるとは何か” “誰かを愛するとは何か”
その答えを探す物語が進んでいく。
👀見どころ
心をむき出しにした北村匠海の“生々しい弱さ”
北村匠海が演じる〈僕〉は、
仕事にも恋愛にも自信が持てず、
生きる意味を見失いかけた青年。
彼のSNS投稿は
“誰にも言えない本音”の代弁のようで、
観客の心にも深く刺さります。
特に、
「わかってほしいのに、言葉にできない」
という若者の葛藤が圧倒的にリアル。
北村匠海の静かな芝居が、
〈僕〉の弱さを優しく、しかし痛烈に表現しています。
中川大志の“刹那的な危うさ”
ユウスケは、自由に見えて実は繊細な青年。
中川大志が演じるユウスケは、
何かに追われるように生きる “壊れかけた若者” の姿があまりにもリアルで、
彼の抱える孤独が観客に重くのしかかります。
森の死に直面した瞬間の表情は、
胸が締め付けられるほどの破壊力。
松岡茉優×古川琴音の圧倒的リアリティ
● 菜穂(松岡茉優)
ユウスケとの関係に期待しながらも、
救われたいだけの自分に気づいてしまう。
● 〈私〉(古川琴音)
SNSを通して“特別になりたい”と願う普通の若者。
この2人の存在が、物語をさらに複雑に、鮮烈に彩る。
どちらも「こういう子、現実にいそう」と思わせる圧巻の演技。
💬テーマ考察:「生きづらい社会でどう生きるか」
本作で描かれるのは、特別ではない若者の苦悩。
- 夢を諦める痛み
- SNSの承認欲求
- 恋愛に救われたい気持ち
- 本音を言えない不器用さ
どれも“今の時代だからこそ”のリアルが詰まっています。
特に印象的なのは、
「生きるとは、逃げても立ち止まってもいいこと」
というメッセージ。
映画は優しくも冷静に、
若者の弱さを肯定してくれる。
🧑🧒子どもと一緒に観られる?
結論から言うと、
小学生以下の子どもと一緒に観るには向きません。
理由は次の通り:
- 自殺やメンタルの不安定さが直接的に描かれる
- 登場人物の会話・テーマが明確に“大人向け”
- 性的な描写は強くないが、関係性のニュアンスがある
- SNS依存、自己肯定感の低さ、恋愛の空虚さなど内容が重い
中学生以上であれば理解できる部分もありますが、
作品テーマは完全に“大人の生きづらさ” のため、
子ども向けではありません。
ただし、
「SNSとの距離感」「友達を失う痛み」など、
思春期の子にとって大きな学びになる可能性はあります。
その場合は、鑑賞後に親子で話をすることをおすすめします。
⚠️嘔吐恐怖症の方でも観られる??
直接的な嘔吐シーンはないものの、ユウスケがバーで飲みすぎて口をおさえるシーンがあり、嘔吐恐怖症の方に向いている映画とはあまりいえないかもしれません。
🌟どんな人におすすめ?
✔ SNSに疲れ、誰にも言えない本音を抱えている人
✔ 承認欲求や生きづらさに共感してしまう人
✔ 青春映画が好きだけど、甘すぎる物語は苦手な人
✔ 北村匠海・中川大志・松岡茉優・古川琴音の演技を深く味わいたい人
✔ 原作『スクロール』を読んで「映像化どうなる?」と思っている人
特に、
「頑張らなきゃいけない日々に疲れた大人」に強く刺さる作品。
静かな映画なのに、心がえぐられるような感情が残ります。
📺配信情報(2025/11現在)
TELASA

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🕊️総評
『スクロール』は、
弱さを抱えた誰かへ手を差し伸べるような作品。
北村匠海×中川大志×松岡茉優×古川琴音という
胸に刺さるキャスト陣の演技が、
物語の痛みと救いを深く描きます。
静かなのに強い。
淡々としているのに刺さる。
そんな“心に残る青春映画”。




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