【ミッドナイトスワン】間違いなく彼女は母だった

ま行
わたし
ゆる

2020年に草彅剛さんがLGBTの方を演じた「ミッドナイトスワン」気になっていたのでNetflixで初鑑賞いたしました。今回も軽度嘔吐恐怖症の2児の母目線で紹介していきます。

 

あらすじ

 

故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブ「スイートピー」のステージに立つ、トランスジェンダーの凪沙。ある日、凪沙は養育費目当てで、姪っ子の一果を預かることになる。常に社会の片隅に追いやられてきた凪沙、実の親の育児放棄によって孤独の中で生きてきた一果。そんな2人にかつてなかった感情が芽生え始める。

 

嘔吐恐怖症の方は観られる?子どもと一緒の感謝は可能?

 

嘔吐表現はないものの、ニューハーフショークラブのシーンが多く出てきますし、一果の実母の勤務先もキャバクラ?ホステス?なので酔っ払いは多く出ます。また、凪沙がホルモン治療を受けた後も副作用?なのか苦しそうなシーンがあり直接的なシーン以外大丈夫な方でしたら、安心して観ていただけますが、連想させるシーンも苦手な方にはオススメできません。

Netflixでは13歳以上の視聴を推奨していましたが、わたしは個人的には高校生以上、、、いや18歳以上かな?と思うシーンもありました。

 

ネタバレありレビュー

 

草彅剛さんがトランスジェンダーの方を演じたことで当時話題になった「ミッドナイトスワン」ですが、かなり切ないシーン満載で視聴後、翌日まで草彅さん演じる凪沙さんに想いを馳せてしまう程の余韻を残してくれる作品でした。

家族にカミングアウトができず、母親からの電話には男性の声色、口調で応じつつも、辛いホルモン治療を行いいつか手術をするためのお金を地道に貯め続けていた凪沙さんが、育児放棄により短期間という約束で従姉妹の子どもの一果ちゃんを預かり徐々に母性が芽生えるというストーリーでしたが、この母性が芽生えてからの凪沙さんがすごいのです!!もう母にしか見えません。一果の才能を潰さないようバレエの月謝のため茶髪で巻き髪だった髪を切り、黒髪短髪の作業服姿なのに一果を宥め「よしよし」と抱きしめるシーンはもう母親にしか見えませんでした。

凪沙さんとの二人三脚(バレエの先生との三人四脚?)で挑んだバレエのコンテストで、固まってしまった一果がつぶやいた「お母さん」駆け出して抱きしめたのは実母でしたが、わたしには凪沙さんに向けられた言葉にしか思えませんでした。

凪沙さんの最期を思うと、一果はあの迎えに行ったとき追いかけられなくても、着いて行かなくても何か先の約束でもできていたらこんな結果にならなかったのではないかと考えてしまいますが、まだ中学生の一果には女性になって現れた凪沙さんへの戸惑いもあったでしょうし、実母を捨てることも、東京で暮らすと決めることもあまりに大きすぎる決断で突然決めることができなくても仕方がないのでしょう。

少女の成長としなやかなバレエ、孤独に生きる葛藤、そして芽生える母性。最初の野良犬のような一果がすっかり素敵な女性になり仲間に囲まれていても孤独で儚げだった凪沙は命懸けで娘の夢を守る母に。草彅剛さんの演技は言わずもがなかと思いますが、一果役の服部樹咲さんがバレエ経験のある新人女優さんとのことで驚きでした。

一果が引越しした凪沙さんの住所をどうやって知ることができた?終盤に凪沙さんの生死を駆け寄って確認することなく海に飛び込んでいったり、次のシーンでは留学先で、何をきっかけに思いとどまれた?など映画公開後に監督が出版された本を読んでいないこともあり、いくつか疑問点が残る作品ではありましたが、間違えなく心に残る映画でした。

 

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